どうも。
最近また風邪を引いてしまい、免疫力がっつり低下中の管理人ことa-kazooです。
今日も資格について語ってみます。
建設業経理士という資格です。
皆さんご存知でしょうか。
いや、ほとんどの人が知らないと思いますw
建設業界では日商簿記より使える?
皆さんはその代わり日商簿記は知ってると思います。
簿記検定=日商簿記と言ってもいいくらいです。
しかし世の中メジャー資格に隠れて、役に立つにも関わらずマイナー資格も数多く存在します。
特に簿記会計の資格(検定)は数多く存在しており、
全商簿記(全国商業高等高校)、全経簿記(全国経理学校)
財務報告実務検定 他
何がどういった意味のある資格検定なのかわからないくらい存在します。
(そしてその資格検定自体のほとんどが役に立たない)
その中でもこれは役立つ!
と思える資格検定試験が存在します。
それが建設業経理士です。
どんな資格なのでしょうか?↓
建設業経理検定試験とは
建設業経理士検定試験は、登録経理試験の実施機関として国土交通省より登録証の交付を受け、本財団が実施する検定試験です。
建設業者が健全な発展を図るうえで、適正な経理と計数を行うことは必要不可欠である一方、建設業は受注産業であり会計処理に特殊な点が多いことから、財務・経理の担当者は高い専門性が求められます。その建設業経理に関する知識の向上を図ることを目的としています。中でも1級、2級合格者は、公共工事の入札可否の判断の資料となる経営事項審査の評価対象の1つになっています。
(出典:(財)建設業振興基金HP)
要約すると
①建設業に特化した会計試験
②1級・2級合格者は経営事項審査(通称:経審)の評価対象(加点対象)
の2点になります。
以下に解説します。
①建設業に特化した会計試験
建設業の勘定科目はなかなか見慣れないものが多いです。
例えば
完成工事未収入金・未成工事支出金・JV出資金・完成工事補償引当金 etc・・・
商業簿記で言えば「売掛金・買掛金・・・」に類するものになりますが、工事に特化した勘定科目になります。
「な〜んだ、単語が違うだけで楽勝じゃん!」
と思われる方もいるかもしれませんが、これに輪をかけてややこしくなるのが
「工事完成基準」「工事進行基準」
という2つの会計年度ごとの収益・費用の計上基準が存在することが、建設業の会計処理を複雑にさせている要因になります。
特に「工事進行基準」の費用(工事原価)の計上について、どれくらい工事が進んで原価が計上できるのか客観的に把握することが難しいのです。
なので度々脱税などでの「不正」としてニュースになり、世を騒がせています。
そのため、それらを把握している会計専門家の養成が不可欠になります。
そのための試験が建設業経理士試験になります。
②1級・2級合格者は経営事項審査(通称:経審)の加点対象
経営事項審査(経審)も建設業に関わる人以外
聞いたことがないと思います。
経営事項審査とは?
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、当該発注機関は客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けを行います。
このうち客観的事項の審査が経営事項審査であり、この審査は「経営状況」と「経営規模」、「技術力」、「その他の審査項目(社会性等)」について数値化し評価するものです。 (出典:(財)建設業情報管理センター)
要約すると
公共工事を請け負いたい場合必ず受けなければならない審査
になります。
何だか難しい書類を作成する必要があるんじゃない?
と思うかもしれませんが、通常の財務諸表のフォーマットを、建設業振興局(基本都道府県ごと)提出用のフォーマットに書き換えるだけです。(少し付け足しはありますが)
(某士業事務所にいた時作成してました。)
この提出物をもとに、請負業者を点数化して順位付けして、順位・格付けが高い業者が工事を入札します。(原則)
この点数化に1級・2級建設業経理士資格保有者が、一定の加算対象になるのです。
ですので建設業経営者からすれば、資格保有者がいるだけで儲けもの!なのです。(もちろん通常業務がこなせるレベル前提の話です。)
公共工事は財政削減により減少の一途ですが、それでも将来にわたってゼロになることはありません。
建設業者は公共工事に頼らない経営が求められていますが、単価が大きく工事の数が通常の商売より少なく不安定な経営になるため、安定的な受注工事を請け負うことは、会社の安定経営に繋がるのです。(冬場は道路工事が多いですw)
受験資格や難易度は?
ですので建設業に関わる人は取得しておいて損はない資格です。
日商簿記にそのような特典はありません。
(合格しましたー! という賞状だけ)
ここで受験資格ですが「誰でもどの級からでも好きに受験」
できます。
1級〜4級までありますが、資格特典が付く2級から受験すべきだと管理人は思います。
建設業経理士2級は日商簿記2級より簡単です。
(最近の日商簿記2級は1級の範囲が入ってきたので難しいです。)
ですので戦略として、最初に日商簿記2級を目指して勉強し、合格後に建設業経理士2級を目指す方がいいでしょう。
また次のステップとして1級になると思いますが、これも日商簿記1級より簡単です。
ただし建設業経理士1級は論述形式の出題があるので
(〇〇会計基準について述べよ、400字以内で。とかw)
文字を書くことが苦手な人にとっては結構苦痛な試験になると思います。
ただ問題自体は普通に勉強していれば、合格基準である70%は取れます(当然100%は無理です。諦めてくださいw)
また1級合格には
3科目(財務諸表・財務分析・原価計算)
に合格する必要がありますが、5年かけてとっても大丈夫です。
さらに試験回数は年2回です。
その時使っていたテキスト&過去問は以下です(3科目分)。
建設業経理士1級 財務諸表 出題パターンと解き方 過去問題集&テキスト 19年3月、19年9月試験用 [ 桑原知之 ] 価格:2,160円 |
建設業経理士1級 財務分析 出題パターンと解き方 過去問題集&テキスト 19年3月、19年9月試験用 [ 桑原知之 ] 価格:2,160円 |
建設業経理士1級 原価計算 出題パターンと解き方 過去問題集&テキスト 19年3月、19年9月試験用 [ 桑原知之 ] 価格:2,160円 |
注:財務分析と原価計算は出題パターンが決まっているので、これ以外はやらない方がいいです。
唯一財務諸表については、理論問題が必ず出題されるので、上記のテキスト&問題集で物足りなければ「日商簿記1級の過去問(特に会計学の部分)」をやってみてもいいでしょう。
過去問題集日商簿記1級 2019年6月検定 (よくわかる簿記シリーズ)[本/雑誌] / TAC簿記検定講座 価格:2,808円 |
建設業経理士合格のための教材としてはこれで充分です。
合格後講習会を受講しなくても大丈夫!
合格後は1・2級登録講習会なるものがあり、これを受講すると登録カードが発行されます。
(この講習会、大した内容でもないのに受講料約15,000円・・・泣)
そして「登録1級・2級建設業経理士」の称号が与えられます。
「登録講習会を受講しないと建設業経理士を名乗れないのではないか?」
「経審の加算要件にならないのではないか?」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし・・・
あくまで講習会を受講して名乗れるのは
「登録1級・2級建設業経理士」
であり受講しなくても
「1級・2級建設業経理士」
は名乗れます。
さらに・・・
経審の加算要件はあくまで試験に合格した者が対象です。
・・・はっきり言ってこれは罠ですw
合格すると講習会の案内が来ますが、大した内容ではないので(公認会計士の講師が自分の経験を語りながらテキストを読むだけ、修了試験などというものはありません。)金の無駄になる確率が高いと思います。
(肝試し的に行ってみたい方は止めませんが・・・w)
最後に
いかがでしたでしょうか。
日商簿記の受験勉強をされている方は、勉強した知識・感覚が残っているうちにこちらの建設業経理士の受験も考えてみていいと思います。
建設業界に転職しないとも限らないので・・・転職後は100%メリットしかありません。
以上、建設業経理士についての記事でした。
受験を考えている方のお役に立てれば幸いです。
それでは。
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